企画展示 被爆80年?学園創立90年 純女学徒隊の記憶
【展示期間】 2025年7月2日(水) ~ 8月23日(土)
今年、長崎へ原子爆弾が投下されてから80年目の夏を迎えます。
今回の企画展では、純心女子学園にまつわる被爆資料を中心に約70点を展示しています。すべての犠牲者を偲び、祈りつつ、80年間手渡され続けてきた平和へのメッセージを後世にどう伝えていくべきか、ともに考えてみませんか。
純心と原爆
1945年、長崎純心高等女学校(当時)は創立10周年となる記念の年でした。
それでも戦争の色濃い時代、声を合わせて祈ることも、シスターたちが修道服を着ることも許されず、生徒たちもまた動員学徒「純女学徒隊」として、勉学を捨て軍需工場で働くことを余儀なくされました。
本学園では、動員令にて指定された2年生から4年生と専攻科生の13歳から16歳の「純女学徒隊」の少女たちと、教職員あわせて214名が原爆により命を落としました。
主な展示資料
- 「純女学徒隊」生徒の遺品(手紙など)
- 戦時中の学校生活を写した写真
- 原爆瓦(爆心地から200m以内で採集されたもの)
- 爆風で欠け落ちた浦上天主堂の天使像頭部
- 築地重信「語り部画」
企画展示 新収蔵品と山下南風展
【展示期間】 2025年2月25日(火) ~6月14日(土)
長崎をモチーフに作品を作り続けた版画家?染色工芸家、山下 南風(1917-1995、本名?直市)。
今回の展示では、新収蔵品15点を含む約50点の作品から、版画?革絵?ガラス絵?立体造形など、その幅広い創作活動を振り返ります。
山下南風と創作活動
山下南風氏は長崎市西小島生まれ。梅園身代わり天満宮を遊び場にする幼少期を過ごすうち、丸山の芸子衆の鮮やかな着物の柄に魅了され、16歳から20歳まで京都で友禅染の修行をしながら日本画を学びます。
しかし第二次世界大戦が開戦し、終戦までに3度応召。南方の戦地から被爆した長崎に帰り着いた後は、中島川のほとりで生涯創作に打ち込みました。
「南風」の雅号には、南方で戦死した戦友たちへの鎮魂と、平和への願いが込められているといいます。日本の唯一の玄関口として栄えた江戸時代、洋館が建ち並ぶ居留地と教会のある景色、戦前の長崎の町並みと人々の暮らし……“古き良き時代の長崎”を描くことで、その平和なのどかさとは対極にある戦争の悲惨さを訴えているのかも知れません。